墓じまいの遺骨はどうする?行き先6つの比較と、柱の数で変わる費用

更新日:2026年10月24日

墓石の撤去は石材店の見積もりで進められても、取り出した祖父母や両親の遺骨をどこへ移すかは、家族で決めることになります。墓じまいで取り出した遺骨の行き先は、新しいお墓、納骨堂、永代供養墓、樹木葬、散骨、手元供養の6つです。

お墓を継ぐ人がいるかと、手を合わせる場所がほしいかで、候補は2〜3つに絞れます。残った候補は、遺骨が何柱(何人分)あるかで費用を比べます。

合祀と散骨は、納めた後に遺骨を取り出せません。費用は柱の数で増え方が違うので、柱の数を掛けた総額を比べてから申し込みます。

墓じまいの遺骨で先に知っておくこと

  • 行き先は6つ。継ぐ人が要るのは新しいお墓と家族用の納骨堂
  • 遺骨を捨てたり、庭に埋めたりはできない
  • 公営の合葬墓は1体ごとに使用料がかかる
  • 代行散骨の総額は、5柱でも1柱の約2.9倍(掲載43社の中央値。2026年10月時点の公式サイト)

墓じまいの遺骨の行き先は6つ

墓じまいは、墓石を撤去して区画を墓地に返し、中の遺骨を取り出すことです。取り出した遺骨を別のお墓や納骨堂へ移すことを、法律では「改葬」と呼びます。

改葬(かいそう)お墓や納骨堂に納めた遺骨を、別のお墓や納骨堂へ移すこと。墓地、埋葬等に関する法律 第2条第3項で定められている。

6つの行き先の違いは、継ぐ人が要るか、費用をどう数えるか、後から取り出せるかの3点です。

行き先 継ぐ人 費用の数え方 後から取り出せるか
新しいお墓 要る 区画ごと(何体まで入るかは墓地による) 取り出せる(改葬の許可が要る)
納骨堂(家族用) 要る 区画ごと、または1体ごと 契約の期間内は施設の規約による
永代供養墓 要らない 1体ごと(施設による) 合祀した後は取り出せない
樹木葬 要らない 区画ごと、または1体ごと 一緒に埋める区画は取り出せない
散骨 要らない 1柱ごと(2柱目から追加料金の業者もある) 取り出せない
手元供養 自分で保管する 容器の代金 自宅にあるので取り出せる

取り出せるかの条件は施設ごとに違います。神戸市の鵯越合葬墓は、合葬施設に納めた遺骨は返還できないと案内しています。

新しいお墓と納骨堂は継ぐ人がいる家の行き先

新しいお墓は、実家の近くや自分の住まいの近くに区画を求め、墓石を建てて遺骨を納めます。区画は代々使えますが、管理料を払い続け、お墓を守る人が次の代にも必要です。

家族用の納骨堂も、契約を続ける人がいることが前提です。継ぐ人がいる家なら、遠い実家のお墓を住まいの近くへ移すと、お参りの場所を残したまま通いやすくなります。

永代供養墓と樹木葬は継ぐ人が要らない

永代供養墓は、お寺や霊園が遺骨の供養と管理を続けるお墓です。一定の期間は1人ずつ納めてから合祀する型と、はじめから合祀する型があります。

合祀(ごうし)ほかの人の遺骨と一緒に1か所へ納めること。納めた後は、特定の人の遺骨だけを取り出せない。

樹木葬は、墓地の区画に遺骨を埋め、木や花を墓標にするお墓です。墓地に埋めるので、海などにまく散骨とは別の行き先になります。

1人ずつの区画か、ほかの人と一緒に埋める区画かで、後から取り出せるかが変わります。

散骨と手元供養はお墓に納めない

散骨は、遺骨を粉にして海などにまく方法です。墓地に納めないので管理料はかかりませんが、まいた遺骨は戻せません。

手元供養は、遺骨を自宅で保管して供養する方法です。散骨も手元供養も、手を合わせる場所は家族で決めることになります。

改葬の許可が要る行き先と要らない行き先

別のお墓、納骨堂、永代供養墓、樹木葬へ移すときは、市区町村長の改葬の許可が要ります。許可を出すのは、遺骨がいまある場所の市区町村長です。

改葬の許可が要るか

  • 要る:新しいお墓・納骨堂・永代供養墓・樹木葬へ移す
  • 改葬にあたらない(川口市・八王子市の案内):散骨
  • 改葬にあたらない(八王子市の案内):改葬先の墓地を決めずに自宅へ引き取る

許可を受けると改葬許可証が交付され、移し先の墓地や納骨堂の管理者は、これを受け取ってから遺骨を納めます。散骨は、法令に規定がないため改葬の手続きにあたらないと川口市が案内しています。

案内の中身は市区町村ごとに違うので、扱いはお墓のある市区町村に確かめてください。

参照:墓地、埋葬等に関する法律 第2条・第5条・第8条・第14条(e-Gov法令検索)・川口市「改葬許可」・八王子市「改葬(お墓を移す)に関する手続き」・神戸市「合葬式墓地(鵯越合葬墓)」(確認日:2026年10月24日)

墓じまいの遺骨は捨てたり庭に埋めたりできない

墓じまいの遺骨は、ごみとして捨てることも、自宅の庭や山に埋めることもできません。手元に残さず、継ぐ人の要らない形で手放すなら、合祀する永代供養墓・樹木葬か散骨が行き先になります。

墓地、埋葬等に関する法律 第4条は、焼骨の埋蔵は墓地以外の区域で行ってはならないと定めています。自宅の庭は墓地ではないので、庭に埋めることはできません。

焼骨(しょうこつ)火葬した後の遺骨。墓地、埋葬等に関する法律は、遺骨をこの言葉で呼んでいる。

刑法 第190条では、遺骨を遺棄した者への刑は3年以下の拘禁刑です。

散骨については、令和2年度の厚生労働科学特別研究事業の研究報告書にまとめられた散骨事業者向けのガイドラインを、厚生労働省が公表しています。法律や条例との関係は、散骨は違法か、国と自治体の資料で確認で扱っています。

法律で禁じられていること

  • 遺骨を捨てる(刑法 第190条)
  • 墓地ではない場所に遺骨を埋める(墓地、埋葬等に関する法律 第4条)

自宅での保管は、墓地、埋葬等に関する法律に規定がない

自宅での遺骨の保管について、墓地、埋葬等に関する法律に特に規定はない、というのが東京都保健医療局の案内です。行き先が決まるまで、自宅で預かっておくこともできます。

ただ、長くお墓にあった遺骨は湿気を含んでいることがあります。掲載216社のうち、お墓から出した遺骨は水分や湿気を含んでいる(含んでいることが多い)と公式サイトで説明する業者は28社でした。

乾燥を料金に含める業者もあれば、別料金にする業者もあるので、申し込む前に見積もりに乾燥が入っているかを見てください。

参照:墓地、埋葬等に関する法律 第4条(e-Gov法令検索)・刑法 第190条(e-Gov法令検索)・東京都保健医療局「墓地等に関するよくある質問」・厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(確認日:2026年10月24日)

集計:海洋散骨くらべ掲載業者216社の公式サイト(確認日:2026年10月6日〜16日)

行き先は3つの問いで絞る

行き先は、次の3つの問いに上から順に答えると絞れます。1つ目と2つ目で候補を外し、3つ目で残った候補の費用を比べます。

  1. お墓を継ぐ人がいるかいなければ、新しいお墓と家族用の納骨堂は外れる。残るのは永代供養墓、樹木葬、散骨、手元供養の4つ
  2. 手を合わせる場所がほしいか自分や親族がお参りしたいなら、全部を散骨にするのは避ける。永代供養墓か樹木葬にするか、一部を手元に残す
  3. 遺骨は何柱あるか1体ごとに使用料がかかる行き先と、2柱目から追加料金で数える行き先では、柱が多いほど総額の差が開く

2つ目までの答えを組み合わせたときに残る行き先は、次の表のとおりです。

継ぐ人 手を合わせる場所 残る行き先
いる ほしい 新しいお墓、家族用の納骨堂(住まいの近くへ移す)
いない ほしい 永代供養墓、樹木葬、一部を手元に残して残りを散骨
いない いらない 合祀する永代供養墓・樹木葬、散骨
いる いらない 継ぐ人の負担を残さないなら、合祀する永代供養墓・樹木葬、散骨

自分の遺骨も同じ場所に入りたいなら、生前に申し込める施設かも確かめます。神戸市の合葬墓で生前に申し込めるのは、神戸市に引き続き6か月以上住民登録している満65歳以上の人です(合葬施設のみ)。

合祀と散骨は戻せないので、ほかの候補と比べたうえで最後に申し込みます。墓じまいの後に悔やみやすい点は、墓じまいで後悔すること4つにまとめています。

参照:神戸市「合葬式墓地(鵯越合葬墓)」・神戸市「鵯越合葬墓のご案内(2026年度)」(確認日:2026年10月24日)

費用は柱の数で増え方が変わる

行き先の費用は、遺骨の柱の数を掛けた額で比べてください。公営の合葬墓のように1体ごとに使用料がかかる行き先は、柱の数に比例して増えます。

柱(はしら)遺骨を数える単位。1人分の遺骨が1柱。神戸市の合葬墓の料金表は「1体あたり」で書いている。

代行散骨の総額と2柱目以降の追加料金を両方書く掲載43社では、2柱目から増える額の中央値が1柱目より低い結果でした。5柱の総額の中央値175,000円を5で割ると、1柱あたり35,000円です。

公営の合葬墓は1体ごとに使用料がかかる

公営の合葬墓は、都や市が運営し、ほかの人の遺骨と一緒に納めるお墓です。6つの行き先では、合祀する永代供養墓や、ほかの人と一緒に埋める樹木葬にあたります。

使用料は1体ごとに決まっていて、柱の数を掛ければ総額の目安が出ます。

東京都と10の政令市の公式ページから、はじめから合葬する区分の1体の料金を拾い、3体と5体を掛けました。1体の料金の中央値は60,000円で、5体では300,000円です。

都市と施設 1体 3体 5体 募集
札幌市
合同納骨塚
9,100円 27,300円 45,500円 期間の記載なし(平日に電話予約)
京都市
深草墓園 納骨堂(永年納骨)
50,000円 150,000円 250,000円 随時
神戸市
鵯越合葬墓(合葬施設)
50,000円 150,000円 250,000円 通年
大阪市
瓜破霊園 合葬式墓地(直接合葬)
50,000円 150,000円 250,000円 先着順(4月〜翌3月)
東京都
八柱霊園 合葬埋蔵施設(直接共同埋蔵)
53,000円 159,000円 265,000円 年1回(6〜7月)・抽選
千葉市
平和公園 合葬式樹木葬墓地
60,000円 180,000円 300,000円 7月・抽選
福岡市
平尾霊園 合葬式墓所(直接合葬)
64,000円 192,000円 320,000円 4月・抽選
さいたま市
思い出の里市営霊園 樹林型合葬式墓地
100,000円 300,000円 500,000円 8月・抽選
川崎市
緑ヶ丘霊園 合葬型墓所
100,550円 301,650円 502,750円 11月・抽選
名古屋市
みどりが丘公園 合葬式墓地(共同埋蔵墓)
120,000円 360,000円 600,000円 随時(先着順)
横浜市
舞岡しぜん墓園 合葬式樹林型納骨施設
166,000円 498,000円 830,000円 9月(多いときは抽選)

都内・市内に住む人の料金で、募集の月は令和8年度の申し込みの期間です。市外料金は、京都市が2倍(どちらも今は京都市民でなく、どちらかが元京都市民の場合)、大阪市と福岡市が1.5倍、名古屋市が1.2倍で、川崎市にも1.5倍の区分があります。

管理料を申し込み時にまとめて払う川崎市と横浜市は、使用料と管理料を足しました。横浜市の舞岡しぜん墓園は、令和9年4月に開園する予定です。

京都市と千葉市は、粉にした遺骨を納める区分を低い料金にしています。3体・5体の列は1体の料金を掛けた計算で、1回に申し込める体数は施設ごとに決まっています。神戸市の50,000円は当初の使用料で、条件に当たると半額に減らされます。

川崎市・さいたま市・横浜市の料金の区分は1体分と2体分までで、千葉市も市営墓地を返還する区分C(1体ごとの料金)のほかは同じです。東京都も遺骨だけで申し込む区分は2体用までで、2体用は夫婦(事実婚を含む)・パートナー・親子・兄弟姉妹に限ります。

1体の料金は札幌市の9,100円から横浜市の166,000円まで、約18倍の開きがありました。3体の中央値で比べると、公営の合葬墓は180,000円、代行散骨(掲載43社。乾燥と送料を除く)は121,000円です。

公営の合葬墓で先に確かめる条件

  • 続けて住んでいる期間:横浜市と大阪市の3か月以上から、東京都の3年以上まで(八柱霊園は千葉県松戸市に住む人も申し込める)
  • 納められる遺骨:さいたま市は応募者との続柄が2親等以内か、市のパートナーシップ宣誓書受領証を受けたパートナー、千葉市は申込者の配偶者や2親等以内の血族などに限る(曾祖父母は3親等。配偶者と2親等以内の血族に存命の人がいない場合は、相談で申し込めることもある)。名古屋市は申込者か申込者の親族が原則(親族以外は事前に相談)
  • 分けた遺骨:東京都・横浜市・さいたま市は、分骨した遺骨では申し込めない。千葉市も、焼骨を持つ人の区分(A・B)では分骨した遺骨で申し込めない。札幌市は全骨が基本(分骨の所在が分からないなどで全骨にできない場合と、市営の霊園・墓地を返還して移す遺骨は分骨でも可)
  • 申し込める人:住んでいる場所で限らないのは名古屋市だけ(市外に住む人は使用料が1.2倍)で、残る10施設は住んでいる場所や遺骨のある場所などで限っている
  • 市営の墓地から移す遺骨:札幌市・大阪市・神戸市・福岡市は、市営の墓地や墓園から移すなら市外に住む人も申し込める(札幌市は区画を返還する場合、福岡市は一般墓所の区画を全部返還する場合。大阪市は霊地を返還する場合と市立服部納骨堂から移す場合)
  • 以前その市に住んでいた人の遺骨:大阪市・神戸市は、遺骨の方が生前にその市に住んでいたなら、市外に住む人も申し込める。京都市は、申請者か遺骨の方が京都市民か元京都市民なら申し込めて、どちらも今は京都市民でなく、どちらかが元京都市民なら市外料金になる
  • 市外の使用料:京都市は申請者も遺骨の方も今は京都市民でなく、どちらかが元京都市民の場合に2倍(その他の焼骨1体100,000円)、大阪市は市外に住む人が1.5倍(直接合葬1体75,000円)。大阪市は、霊地を返還して移す場合も1.5倍を除く記載はない。福岡市は、市内に本籍があれば市外に住む人も申し込めて、市内に住民票がない人は5割増し(直接合葬1体96,000円)。一般墓所を返還して移すなら市外でも同じ料金
  • 千葉市は、市営の一般墓地を返還して移す区分なら、市内に住んで1年未満でも申し込める
  • 神戸市の合葬施設は、市立墓園の墓地・納骨堂を返還(墓じまい)して移す遺骨なら使用料が半額(1体25,000円)。返還の手続き(撤去工事を含む)は2027年3月末までに終える
  • 市営墓地を使っている人:さいたま市は、すでに市営墓地を使っている人(同じ世帯の人を含む)は応募できない。千葉市も、市営の一般墓地を使っている人は、返還する区分(C)のほかは申し込めない。川崎市は市営墓地を使っている人の申し込みを墓じまいによる受付に限り、東京都は都立霊園を使っている人は今の墓所の返還が条件(都立の合葬埋蔵施設の使用者が別の遺骨で申し込む場合を除く)
  • 名古屋市は、みどりが丘公園の一般墓地の使用者を納める遺骨にした申し込みはできない。その墓地を墓じまいする人は、申し込む前に返還の手続きを窓口で相談する
  • 募集の時期:ほぼ1年を通して受け付けるのは11施設中4施設(京都市・神戸市・名古屋市は通年や随時、大阪市は4月から翌年3月7日までの先着順)、札幌市は期間の記載がなく、残る6施設は申し込みの期間が決まっている(令和8年度は福岡市が4月、東京都が6〜7月、千葉市が7月、さいたま市が8月、横浜市が9月、川崎市が11月。川崎市と東京都は、墓じまいの人向けの受付が別にある)
  • 墓じまいする人の受付:川崎市は市営墓地の墓じまいによる申し込みを随時受け付け、東京都は都立霊園の墓所を返還して移す施設変更を年3回募集する

東京都は令和8年度の場合、6月から7月に申し込み、8月に抽選でした。抽選のある施設は、当選が決まってから墓じまいの日程を組んでください。

代行散骨は2柱目から追加料金で数える

掲載216社のうち、代行散骨の総額と2柱目以降の追加料金を両方書いている43社で、1〜5柱の総額を計算しました。中央値は1柱で60,000円、3柱で121,000円、5柱で175,000円です。

代行散骨の総額(掲載43社の中央値。送料を除く)

60,000円1柱
121,000円3柱
175,000円5柱

2柱目から1柱ごとに増える額は、43社の中央値で30,000円でした(11,000〜110,000円)。1柱目の総額の中央値60,000円の半分です。

43社のうち39社は増える額が1柱目の総額より低いので、柱が増えるほど1柱あたりの費用は下がります。5柱の中央値は1柱の約2.9倍で、柱の数の5倍までは増えません。

ただ業者による差は大きく、5柱の総額は最も低い業者で90,000円、最も高い業者で550,000円でした。2柱目から増える額が1柱目と同じか高い業者も4社あり、その4社では1柱あたりの費用は下がりません。

柱の数 中央値 最も低い業者 最も高い業者
1柱 60,000円 25,000円 110,000円
2柱 99,000円 42,000円 220,000円
3柱 121,000円 59,000円 330,000円
4柱 147,000円 75,000円 440,000円
5柱 175,000円 90,000円 550,000円

代行の総額は、総額が最も低くなる代行プランの表示価格に、別料金の粉骨を足した金額です。43社の最安の代行プランは、粉骨込みが39社、粉骨が別料金が4社でした。粉骨が別料金の4社は、2柱目以降も1柱ごとに粉骨の料金を足しています。

送料は含んでいません。43社のうち、送骨で受け付けると公式サイトに書くのは26社です。26社のうち、送料を業者が持つ(着払いで受けるなど)と書くのは8社、利用者の負担と書くのは7社でした。送骨キットの料金を書くのは2社(2,500円と3,980円)です。

2柱目からは、「2柱目以降」「遺骨の追加」などの追加料金のうち最も安い額を1柱ごとに足しました。乗船や貸切のプランにだけかかる追加料金は除いています。2柱目以降の粉骨の料金だけを書く8社も含めました。

お墓から出した遺骨は乾燥の料金が足されることがある

お墓から出した遺骨は、粉にする前に乾燥や洗浄が要ることがあります。

掲載216社のうち、乾燥・洗浄・洗骨の料金を公式サイトに書く業者は43社で、中央値は11,000円でした(2,000〜33,000円)。乾燥や洗骨を料金に含めると書く業者も12社あります。

先の43社のうち乾燥の料金も書く15社で、乾燥を柱の数だけ足すと、5柱の総額の中央値は145,000円から159,600円に上がります。43社のうち4社は、乾燥や洗骨を料金に含めると書く業者でした。

乾燥の料金も書く15社 乾燥を足さない 乾燥を柱の数だけ足す
1柱の総額の中央値 52,800円 55,200円
3柱の総額の中央値 97,000円 108,600円
5柱の総額の中央値 145,000円 159,600円

乾燥の料金は、業者が書く乾燥・洗浄・洗骨の料金のうち最も安い額を、1柱ごとにかかるものとして足しました。骨壺の大きさや状態で料金が変わる業者もあります。ペット向けの料金は除いています。

墓じまい自体の費用は別にかかる

ここまでの金額は、遺骨を納める先の費用だけです。墓石の撤去と区画の返還、閉眼供養のお布施などは、別に見積もります。

撤去を頼む先の選び方は墓じまいの業者はどこに頼むかに、費用の分担で揉めないための決め方は墓じまいで後悔すること4つにまとめました。

参照:各都市の公式ページ(札幌市・京都市・神戸市・大阪市・東京都・千葉市・福岡市・さいたま市・川崎市・名古屋市(みどりが丘公園)・横浜市。令和8年度の料金・募集。確認日:2026年10月24日)

参照:東京都公園協会「都立霊園 よくある質問」・東京都公園協会「令和8年度 都立霊園 申込みのしおり(40〜43頁)」・横浜市「令和8年度 市営墓地 募集のしおり」・神戸市「鵯越合葬墓のご案内(2026年度)」(確認日:2026年10月24日)

集計:海洋散骨くらべ掲載業者216社の公式サイト(確認日:2026年10月6日〜16日)。粉骨の料金の分け方は粉骨の料金・費用相場と同じ

柱ごとに行き先を分けてもよい

3つの問いは、遺骨1柱ずつに当てることもできます。両親と、祖父母より前の代とで答えが変わるなら、柱ごとに行き先を分ける形です。

遺骨 行き先の例 分ける考え方
両親 1人ずつ納める期間がある永代供養墓 子どもがしばらくお参りしたい
祖父母より前の代 合祀する永代供養墓、または散骨 お参りする人が限られている
母の遺骨の一部 手元供養 自宅でも手を合わせたい

表は分け方の一例です。どの遺骨をどこへ納めるかは、親族と話し合って決めます。

分けたときの費用の目安(5柱の場合)

5柱のうち2柱を公営の合葬墓、3柱を代行散骨にすると、中央値を足して120,000円+121,000円で241,000円です。全部を公営の合葬墓にすると300,000円、全部を代行散骨にすると175,000円なので、その間に収まります。行き先を分けると、申し込みと遺骨の受け渡しは行き先ごとに要ります。

金額は、公営の合葬墓11施設と代行散骨の掲載43社の中央値です。代行散骨の額には、乾燥と送料が入っていません。

一部を手元に残して、残りを納める

遺骨の一部を小さな骨壺に分けて自宅に置き、残りを散骨や永代供養墓に納める方法です。残りを合祀や散骨にしても、自宅に手を合わせる場所が残ります。

東京都・横浜市・さいたま市の公営の合葬墓と千葉市のA・B区分は、分骨した遺骨を受け付けません。

手元に残した遺骨も、いずれ誰かが引き継ぐか、納める先を決めることになります。残す量の目安は、次の世代が預かれる分です。

2か所以上のお墓や納骨堂に納めるなら分骨の証明が要る

同じ人の遺骨を分けて、別の墓地や納骨堂にも納めるときは、元の墓地の管理者に分骨の証明書を出してもらいます。墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条は、他の墓地等に分骨を納めようとする人の請求があれば、管理者が証明の書類を交付すると定めています。

分骨(ぶんこつ)1人の遺骨を分けて、2か所以上に納めること。八王子市は、分骨は改葬にあたらず、分骨証明書で他の墓地等に移せると案内している。

施行規則 第5条が定めているのは、他の墓地や納骨堂に分骨を納める場合です。散骨や手元供養に分けるときに書類を求めるかは、申し込む業者や施設に確かめてください。

集計:公営の合葬墓11施設の公式ページ(確認日:2026年10月24日)・海洋散骨くらべ掲載業者216社の公式サイト(確認日:2026年10月6日〜16日)

参照:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条(e-Gov法令検索)・東京都公園協会「令和8年度 都立霊園 申込みのしおり(40〜43頁)」・横浜市「令和8年度 市営墓地 募集のしおり」・さいたま市「市営霊園の募集」・千葉市「合葬式樹木葬墓地 申込みのしおり」・八王子市「改葬(お墓を移す)に関する手続き」(確認日:2026年10月24日)

墓じまいから遺骨を納め直すまでの流れ

遺骨の行き先は、墓石を撤去する前に決めて申し込みます。改葬の許可の申請書には、移す先の場所を書く欄があるためです。

移し先の使用許可証や受入証明書の写しを、申請の書類に挙げる市区町村もあります(川口市・八王子市)。

  1. 親族と話し合う遺骨の行き先、費用を誰が負担するか、墓じまいの後どこで手を合わせるか
  2. 行き先を決めて申し込むお墓や納骨堂なら施設、散骨なら業者に申し込む
  3. 改葬の許可を申請するお墓や納骨堂へ移すとき。墓地の管理者に埋蔵の証明をもらい、遺骨がある市区町村に申請する。墓地の使用者ではない人が申請するなら、使用者の承諾書(またはこれに代わる裁判の書面)も要る。散骨でも、業者が改葬許可証を求めることがある
  4. 閉眼供養をして遺骨を取り出すお寺の墓地なら、日取りをお寺と決める
  5. 墓石を撤去して区画を返す撤去は石材店などに頼む
  6. 新しい行き先に納める改葬許可証を移し先の管理者に渡す。散骨なら業者に遺骨を預ける

散骨だけにする場合の書類と段取りは、墓じまいして散骨する流れと手続きで扱っています。業者に出す書類の集計は、散骨の手続きと必要書類にまとめました。

参照:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条(e-Gov法令検索)・川口市「改葬許可」・八王子市「改葬(お墓を移す)に関する手続き」(確認日:2026年10月24日)

集計:海洋散骨くらべ掲載業者216社の公式サイト(確認日:2026年10月6日〜16日)

散骨にするなら、お墓の遺骨を受ける業者か確かめる

散骨を選ぶなら、お墓から出した遺骨を受け付ける業者かを先に確かめます。実家が遠いと、遺骨を送れるか、業者が遺骨を引き取りに来るか、お墓から取り出してくれるかで手間が変わります。

お墓の遺骨への対応を書く散骨業者(掲載216社)

131社送骨で遺骨を受け付ける
100社遺骨を引き取りに来るか、お墓から取り出す
53社改葬許可証を書類に挙げる(書類を書く57社のうち)

掲載216社のうち、送骨で遺骨を受け付けると公式サイトに書く業者は131社でした(受け付けに条件がある9社を含む)。業者が遺骨を引き取りに来る(自宅への出張を含む)か、お墓から取り出すと書く業者は100社です。

どちらかに対応する業者は151社、両方に対応する業者は80社でした。

お墓から出した遺骨の申し込み書類を公式サイトに書く業者は57社で、そのうち53社が改葬許可証を挙げています。改葬許可証のほかに挙がるのは、墓地の管理者が出す遺骨引き渡し証明書(13社)や埋蔵証明書(8社)です。

お墓から出した遺骨の書類 挙げる業者
改葬許可証 53社(改葬許可証だけを挙げる業者は37社)
遺骨引き渡し証明書(墓地の管理者が出す) 13社
埋蔵証明書(墓地の管理者が出す) 8社

書類を公式サイトに書く57社の集計です。1社が2種類以上を挙げている場合は、それぞれに数えました。ほかに別の書類を挙げる業者が1社ありました。

改葬許可証を求めない場面を書く業者もあります。山野石材のふるさと散骨は、墓じまいで誰の遺骨か分からない骨壺が出てきたという質問に、海洋散骨は改葬にあたらないので改葬許可証は要らないと答えています。

その場合も、身元の確認には埋葬許可証を出してもらう、という回答です。同じページでは、お墓から全部の遺骨を取り出す墓じまいには、お墓の管理者への連絡や改葬の手続きが要るとも案内しています。

送骨で代行散骨を受ける業者の1社、海洋記念葬シーセレモニーは、お墓から出した遺骨には、原則として改葬許可証か墓地の管理者の遺骨引き渡し証明書を求めています。代理散骨(東京)の料金と預け方は次のとおりです。

海洋記念葬シーセレモニーの代理散骨(東京)

  • 料金:1柱の粉骨込みで55,000円(税込)。遺骨が複数名分なら相談
  • 乾燥:粉骨のページでは、お墓に納骨されていた遺骨は洗浄と乾燥が要るため追加費用がかかり(状態は引き取りのときに確認)、水分を含んでいる遺骨の乾燥は11,000円(税込)
  • 預け方:持ち込み、出張での受け取り(粉骨のページの料金表では、東京23区と浦安市は22,000円・税込、そのほかは直線距離50km以内で27,500円・税込など距離で変わる)、ゆうパック
  • 書類:改葬許可証は要らないと役所や霊園に言われた場合は、手続きなしで取り出せる(FAQの回答)

実家のある県の業者は、県別の一覧から探せます。下の3県のほかは、海洋散骨の業者一覧から県を選んでください。

送骨の送り方とキットは、送骨とはにまとめています。

参照:山野石材「ふるさと散骨」・海洋記念葬シーセレモニー「よくある質問」・同「トップページ」・同「代理散骨(東京)」・同「粉骨」(確認日:2026年10月24日)

集計:海洋散骨くらべ掲載業者216社の公式サイト(確認日:2026年10月6日〜16日)

墓じまいの遺骨についてよくある質問

墓じまいの遺骨について、行き先を決める前に確かめておきたい質問は次の3つです。

墓じまいの遺骨を家にずっと置いておいてもいい?

墓地、埋葬等に関する法律に自宅での保管の規定はない、というのが東京都保健医療局の案内です。ずっと置いておくなら、自分の後に誰が預かるかも決めておきます。

後で墓地に納めるかもしれない場合は、取り出すときに墓地の管理者から証明書をもらっておきます。八王子市が、改葬先の墓地を決めずに自宅へ引き取る人に勧めているのも、埋蔵証明書や遺骨引き渡し証明書を墓地の管理者に交付してもらうことです。

改葬先を決めずに自宅へ引き取るときにもらっておく書類(八王子市の案内)

  • 埋蔵証明書
  • 遺骨引き渡し証明書

墓じまいの遺骨をいちばん安く納めるには?

表の11施設で1体の料金がいちばん低いのは、札幌市の合同納骨塚の9,100円です。札幌市民で親族などの遺骨を管理する人のほか、札幌市営の霊園・墓地の使用者で返還する人も申し込めます。

中央値で比べると、1柱は公営の合葬墓(11施設)と代行散骨(掲載43社)がどちらも60,000円でした。2柱からは代行散骨のほうが低く、5柱では175,000円と300,000円です。代行散骨の額には、乾燥と送料が入っていません。

行き先 1柱の中央値 最も低い料金
公営の合葬墓(11施設) 60,000円 9,100円(札幌市)
代行散骨(掲載43社) 60,000円 25,000円

公営の合葬墓は住所などの条件があるため、住んでいる都市の案内を先に確かめてください。

合祀した遺骨は取り出せる?

取り出せません。公営の合葬墓でも、札幌市の合同納骨塚、神戸市の合葬施設、名古屋市の合葬式墓地は、納めた後の遺骨は返還できないとの案内でした。

迷いが残るなら、合祀の前に一部を分けて手元に残すと、決め直す余地が残ります(分骨した遺骨を受け付けない公営の合葬墓もあります)。

1人ずつ納める期間がある施設でも、返還の扱いは分かれます。神戸市の個別安置施設は許可期間内なら返還できますが、名古屋市のみどりが丘公園の個別埋蔵墓は、埋蔵期間中も返還できません。

参照:東京都保健医療局「墓地等に関するよくある質問」・八王子市「改葬(お墓を移す)に関する手続き」・神戸市「合葬式墓地(鵯越合葬墓)」・札幌市「合同納骨塚」・名古屋市みどりが丘公園「合葬式墓地」(確認日:2026年10月24日)

集計:公営の合葬墓11施設の公式ページ(確認日:2026年10月24日)・海洋散骨くらべ掲載業者216社の公式サイト(確認日:2026年10月6日〜16日)

墓じまいの遺骨の行き先を決める順番(まとめ)

墓じまいの遺骨の行き先は、次の4つの順に決めてください。

  1. 継ぐ人がいるかを確かめるいなければ、新しいお墓と家族用の納骨堂は外れる
  2. 手を合わせる場所を決めるほしいなら、全部を散骨にせず、永代供養墓や樹木葬、手元供養を組み合わせる
  3. 柱の数を掛けて費用を比べる1体ごとにかかる行き先と、2柱目から追加料金の行き先を同じ柱の数で比べる
  4. 戻せない行き先は最後に申し込む合祀と散骨は、ほかの候補と比べてから決める

代行散骨の総額と2柱目以降の追加料金を両方書く掲載43社では、5柱の総額の中央値は175,000円でした。公営の合葬墓(11施設)は5体で中央値300,000円なので、5柱では125,000円の差になります。代行散骨の額には、乾燥と送料が入っていません。

散骨の料金は海洋散骨の費用相場で、墓じまいから散骨までの段取りは墓じまいして散骨する流れと手続きで確かめられます。

集計:公営の合葬墓11施設の公式ページ(確認日:2026年10月24日)・海洋散骨くらべ掲載業者216社の公式サイト(確認日:2026年10月6日〜16日)