墓じまいの流れと手続き|必要書類と改葬許可、政令市20市の郵送・手数料

更新日:2026年10月24日

墓じまいは、親族への相談から新しい納骨先へ遺骨を納めるまで、8つの段階で進みます。お寺や霊園のお墓から別のお墓や納骨堂へ移すなら、役所に許可を申請するのは、今のお墓がある市区町村への改葬許可だけです。申請先は住んでいる市ではなく、お墓のある市区町村です。

郵送で申請できるか、受入証明書が要るかは、市によって違います。政令指定都市20市の案内を1市ずつ読み、郵送・手数料・書類の扱いを表にしました。遠方のお墓でも、郵送で申請できる市なら窓口へ行かずに許可証まで受け取れます。

この記事の要点

  • 最初の連絡先は、親族と今の墓地の管理者(お寺・霊園)の2者
  • 役所に出すのは改葬許可申請書と、原則として今の墓地の管理者による埋蔵の証明。承諾書・受入証明書・本人確認書類・委任状などは条件や市によって加わる
  • 政令市20市のうち、郵送で申請できると案内するのは10市
  • 散骨や自宅への引き取りを「改葬にあたらない」と書く市と、書いていない市がある
  1. 墓じまいの流れは8段階で、役所への許可申請は5番目
    1. 改葬許可の申請は、行き先と管理者の証明がそろってから
    2. 期間は書類の待ちと工事の予約で決まる
  2. 最初に親族と墓地の管理者へ相談する
    1. 親族には遺骨の行き先と費用の分け方を先に話す
    2. お寺の墓地なら離檀もあわせて相談する
  3. 遺骨の行き先で必要な書類が変わる
    1. お墓・納骨堂・永代供養に移すなら改葬許可が要る
    2. 散骨・自宅への引き取りは市の書き方が違う
  4. 改葬の手続きはお墓のある市区町村に書類を出す
    1. 申請書には今の墓地の管理者の証明書を添付する
    2. 墓地の使用者以外が申請するなら承諾書を添える
    3. 申請書を1体ごとに出すかは市で違う
  5. 政令市20市のうち10市は郵送で申請できると案内している
    1. 郵送で申請できる市と窓口だけの市
    2. 受入証明書か移動先の使用許可証などを求める市は5市
  6. 改葬許可証を受け取ってから遺骨を取り出す
    1. 閉眼供養は遺骨を取り出す前に行う
    2. 撤去と整地が終わったら墓地を返す
    3. 新しい納骨先には改葬許可証を出して納める
  7. 代行は行政書士・石材店・墓じまい業者に頼める
  8. 墓じまいの手続きの費用は証明書代と申請手数料
  9. 墓じまいの手続きでよくある質問
    1. 墓地の管理者が分からないときはどうする?
    2. 墓じまいをしないとどうなる?
  10. 墓じまいの流れと手続きのまとめ

墓じまいの流れは8段階で、役所への許可申請は5番目

お寺や霊園のお墓から別のお墓や納骨堂へ移すなら、墓じまいの8段階のうち役所に許可を申請するのは5番目の改葬許可だけです。ほかは親族・墓地の管理者・石材店とのやり取りになります。

自宅の敷地などにある個人墓地を片付けるときは、改葬許可とは別に、墓地を廃止する許可(墓地埋葬法10条2項)も要ります。

  1. 親族と話し合う遺骨が何体あるか、どこへ移すか、費用を誰が持つかを決める
  2. 今の墓地の管理者に伝えるお寺や霊園の事務所に墓じまいの意向を伝え、必要な書類を聞く
  3. 遺骨の行き先を決める新しいお墓・納骨堂・永代供養墓・散骨・自宅での供養から選ぶ
  4. 書類をそろえる今の墓地の管理者に埋蔵の証明をもらう。名義人以外が申請するなら承諾書など、市が求めれば受入証明書や本人確認書類もそろえる
  5. 改葬許可を申請する今のお墓がある市区町村に申請書を出し、改葬許可証を受け取る
  6. 閉眼供養(行う場合)をして遺骨を取り出す改葬許可証を管理者に見せ(提出を求める市もある)、石材店に納骨室を開けてもらう
  7. 墓石を撤去して墓地を返す石材店が墓石を片付けて整地し、管理者に区画を返す
  8. 新しい行き先に納める新しいお墓や納骨堂の管理者に改葬許可証を出して納骨する

墓じまい今のお墓から遺骨を取り出し、墓石を片付けて墓地を返すことです。法律の用語ではなく、遺骨を別のお墓や納骨堂へ移す部分が、手続きの上の「改葬」にあたります。

改葬墓地埋葬法2条3項は「埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すこと」と定めています。

3番目に決める行き先で5番目から先の手続きが変わるのは、この定義があるためです。

参照:墓地、埋葬等に関する法律 第2条・第10条(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月24日)

改葬許可の申請は、行き先と管理者の証明がそろってから

改葬許可の申請書には移す先(改葬の場所)を書く欄があり、管理者の証明も添えます。行き先と証明の2つがそろうまで、原則として申請はできません。

書類・手続き 先にそろえるもの 根拠
埋蔵(収蔵)証明書 申請書の証明欄に書いてもらう市では、行き先を書いた申請書 施行規則2条2項1号・京都市リーフレット
受入証明書(市が求める場合) 行き先の決定 施行規則2条2項3号
改葬許可の申請 行き先の決定と埋蔵の証明 施行規則2条1項6号・2項
遺骨の取り出し 改葬許可証 墓地埋葬法5条1項・8条
新しいお墓・納骨堂への納骨 改葬許可証 墓地埋葬法14条

京都市のリーフレットも、改葬先が決まる前の申請を「できません」と答えています。京都市の手順でも、申請書に必要事項を書いてから、今の墓地の管理者に証明書欄を記入してもらいます。

散骨や自宅への引き取りを改葬にあたらないとする市では、この順番は当てはまりません。

参照:墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)/京都市「改葬許可申請の手続について」(平成30年12月発行。確認日:2026年10月24日)

期間は書類の待ちと工事の予約で決まる

墓じまいの期間を左右するのは、管理者の証明が出るまでと、石材店の工事日が決まるまでの待ちです。改葬許可そのものは、窓口でその日のうちに受け取れる市もあります。

政令市の案内にある改葬許可証の交付までの時間

その場・即日京都市(複数の申請は時間がかかる場合あり)・北九州市・浜松市
標準処理期間1日川崎市
数日~1週間程度相模原市(かかる場合がある)

千葉市の案内では、所要時間は10~15分程度です。名古屋市と福岡市は時間がかかる場合や即日に交付できない場合があると書き、京都市も一度に複数の申請をするときは時間をもらうことがあるとしています。

管理者の証明が出る時期と工事の日取りは、最初の連絡で目安を聞いてください。

参照:京都市「改葬許可申請の手続について」/千葉市「改葬許可申請の流れ」/相模原市「よくある質問 改葬許可の手続き方法について知りたい。」/川崎市/浜松市/名古屋市/北九州市/福岡市の改葬許可の案内(確認日:2026年10月24日)

最初に親族と墓地の管理者へ相談する

墓じまいで最初に連絡する相手は、親族と今の墓地の管理者です。改葬許可の申請には原則として管理者の埋蔵の証明が要り、申請者が墓地の名義人でなければ、名義人の承諾書なども要ります。

親族には遺骨の行き先と費用の分け方を先に話す

親族と最初に決めるのは、遺骨の数・行き先・費用の負担の3つです。遺骨の数で新しい納骨先の費用が変わり、1体ごとに申請書を出す市では申請書の枚数も変わります。

親族との話し合いで決めること

  • お墓に何体の遺骨が入っているか(分かる範囲で)
  • 遺骨をどこへ移すか(お墓・納骨堂・永代供養墓・散骨・自宅)
  • 費用を誰がどれだけ持つか
  • 墓地の名義人(使用者)は誰で、誰が申請するか。名義人と申請者が違えば、名義人の承諾書など(委任状を案内する市もある)が要る

費用の分け方や、親族の反対で止まった例は墓じまいの後悔の記事にまとめました。

お寺の墓地なら離檀もあわせて相談する

お寺の境内墓地から遺骨を移して檀家をやめるなら、離檀の相談も一緒に進めます。公営霊園や民営霊園では、管理事務所への届け出が窓口です。

相談では墓じまいの意向と時期を伝え、埋蔵の証明を書いてもらえるかを確かめてください。離檀料の考え方は墓じまいの後悔の記事で扱っています。

参照:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月24日)

遺骨の行き先で必要な書類が変わる

遺骨を別のお墓か納骨堂へ移すなら改葬にあたり、改葬許可が要ります。散骨と自宅への引き取りは、「改葬にあたらない」と書く市と、書いていない市があります。

遺骨の行き先 改葬許可 申請の前に用意するもの
新しいお墓(墓地として許可を受けた樹木葬を含む) 要る 管理者の埋蔵の証明。市が求めれば受入証明書
納骨堂・永代供養墓 要る 管理者の埋蔵の証明。市が求めれば受入証明書
散骨 改葬にあたらないと書く市(八王子市)と、改葬の手続きは必要ないと書く市(町田市)がある お墓がある市の案内と散骨業者の求める書類を確かめる
自宅への引き取り 改葬にあたらないと書く市がある(札幌市・京都市など) 改葬にあたらない市でも、管理者の証明書をもらっておく

お墓・納骨堂・永代供養に移すなら改葬許可が要る

新しいお墓・納骨堂・永代供養墓への移動は、墓地埋葬法の「他の墳墓又は納骨堂」に移す改葬です。申請書に移す先の名称と所在地を書くので、契約先を先に決めます。

受入証明書や使用許可証をいつ出せるかも、候補の霊園に聞いておいてください。

遺骨の一部を分けて別のお墓へ移す分骨は、千葉市・八王子市・町田市の案内では改葬の手続きが要りません。墓地の管理者などが出す分骨証明書で移します。

参照:墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)/同法施行規則(e-Gov法令検索)/千葉市「改葬、分骨について」/八王子市「改葬許可について」/町田市「改葬許可申請」(確認日:2026年10月24日)

散骨・自宅への引き取りは市の書き方が違う

自宅への引き取りを「改葬」に当たらないと書く政令市は札幌市と京都市で、静岡市は散骨・自宅への引き取りとも手続きが異なるとだけ書いています。市ごとの書き方は次の表のとおりです。

市 散骨 お墓から自宅への引き取り
札幌市 改葬の案内に記載なし 「改葬」に当たらない。管理者の埋蔵・収蔵証明書を保管しておくのが望ましい
京都市 改葬の案内に記載なし 改葬に当たらない。自宅の庭などへの埋葬は法律で禁止
静岡市 手続きが異なる(管理者に問い合わせ) 手続きが異なる(管理者に問い合わせ)
横浜市 現行の法令上の許可手続は必要ない(散骨のページ) 改葬の案内に記載なし
川崎市 法による手続はない。散骨する場所の自治体の規制は要確認(散骨のFAQ) 改葬の案内に記載なし
八王子市(政令市以外) 改葬にはあたらない 改葬先の墓地を決めずに引き取る場合は改葬にあたらない
町田市(政令市以外) 改葬の手続きは必要ない 墓地を決めずに引き取る場合は改葬の手続きは必要ない

政令市20市の改葬の案内で、散骨を「改葬に当たらない」と書く市はありませんでした。自宅への引き取りでも、札幌市・京都市・八王子市・町田市はいずれも、将来の納骨に備えて管理者の証明書をもらうよう勧めています。

お墓から出した遺骨について散骨業者が公式サイトに挙げる書類は、改葬許可証が中心です。お墓の遺骨の書類を書く掲載57社のうち、改葬許可証を挙げる業者は53社でした。

散骨を選ぶ場合の書類の集め方は、墓じまいして散骨する流れの記事で扱っています。業者の総額は、散骨する海の地域ごとに比べられます。

参照:札幌市「改葬(納骨済みのご遺骨を他の場所に移すとき)」/京都市「改葬許可申請の手続について」/静岡市「改葬許可申請」/八王子市「改葬(お墓を移す)に関する手続き」/町田市「改葬許可申請」/横浜市「散骨するにあたっての手続について」/川崎市「よくある質問」(散骨の手続き)(確認日:2026年10月24日)

参照:海洋散骨くらべ掲載業者の公式サイトを集計(確認日:2026年10月17日)

改葬の手続きはお墓のある市区町村に書類を出す

改葬許可の申請先は今のお墓がある市区町村で、住んでいる市ではありません。墓地埋葬法5条2項は、改葬の許可を「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」が行うと定めています。

遠方のお墓なら、まずそのお墓がある市の案内ページで、窓口と申請書の様式を探してください。

参照:墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月24日)

申請書には今の墓地の管理者の証明書を添付する

改葬許可申請書は、市区町村の様式に申請者が書いて出します。添付書類は施行規則2条2項が3つ挙げており、原則として必ず要るのは管理者の証明です。受入証明書は条文に名前がなく、3つ目の「その他市町村長が特に必要と認める書類」として市が求めることがあります。

添付書類 誰が出す いつ要る 法令上の位置付け
埋蔵(収蔵)証明書 今の墓地・納骨堂の管理者 原則として必ず(特別の事情があれば市が認める書面で代えられる) 施行規則2条2項1号
承諾書 墓地の使用者 使用者以外が申請するとき 施行規則2条2項2号(裁判の謄本などでも可)
受入証明書 新しい墓地・納骨堂の管理者 市が求めるとき 法令に名前はなく、3号「その他市町村長が特に必要と認める書類」として市が求める

埋蔵の証明は、申請書の中の証明欄に管理者が記入する形の市もあります。相模原市の様式も、管理者の証明書が申請書の中に印刷された形です。

申請書の欄ごとの書き方と12市区の記入例は、改葬許可申請書の書き方と記入例で扱っています。

このほか、市によっては本人確認書類や戸籍も必要です。

市によって加わる書類の例

  • 本人確認書類:大阪市の5区は申請者の分を挙げる。窓口では仙台市が来庁者の分を求め、京都市も本人確認をする
  • 戸籍:大阪市旭区は続柄や死亡日が分かる戸籍・除籍謄本を挙げる。北区・住吉区は、続柄の確認に戸籍等の提示を求める場合がある
  • 承諾書と本人確認書類の写し:広島市は、墓地使用者以外が申請するときに求める

参照:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条(e-Gov法令検索)/相模原市「改葬許可申請」/大阪市北区「改葬許可申請について」/大阪市旭区「改葬許可書の申請方法について」/大阪市住吉区「改葬許可申請について」/仙台市「改葬許可証の交付」/広島市「改葬許可申請について」/京都市「改葬許可申請の手続について」(確認日:2026年10月24日)

墓地の使用者以外が申請するなら承諾書を添える

申請者が墓地の使用者本人でなければ、使用者の改葬への承諾書を添えます。承諾書に代わる書面として施行規則が挙げるのは、使用者に対抗できる裁判の謄本などです。

承諾書が要るかの見分け方

  • 墓地の名義人(使用者)と申請者が違えば要る。横浜市は、名義人の委任状か承諾書のどちらかを求める。名古屋市は、墓地・納骨堂の使用者以外が申請書を出す場合に委任状が必要としている
  • 申請者が名義人本人なら、今の墓地の分は要らない。大阪市天王寺区・住吉区、相模原市、岡山市は、改葬先の墓地の使用者が申請者と違う場合も、その使用者の承諾を求める(岡山市は改葬受入承諾書)
  • 京都市は、墓地使用者と申請者が違う場合に「墓地使用者の署名・捺印のある承諾書」を求める。広島市は同じ場合に、承諾書と本人確認書類の写しを求める

承諾書は、別の紙の様式を用意する市(札幌市・浜松市など)と、申請書の承諾欄に名義人が署名や押印をする市(仙台市・静岡市・熊本市など)があります。

参照:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条(e-Gov法令検索)/仙台市「改葬(お骨を他の墓地等に移すこと)するとき」/静岡市「改葬許可申請」(申請書の様式)/熊本市コールセンター「改葬(有縁)許可申請について知りたい。」/札幌市の申請書ページ(承諾書の様式)/浜松市「市内の民間墓所から別の墓所へ改葬するときは」(承諾書の様式)/大阪市天王寺区「改葬許可申請について」/大阪市住吉区「改葬許可申請について」/相模原市「よくある質問 改葬許可の手続き方法について知りたい。」/京都市「改葬許可申請の手続について」/横浜市「改葬(遺骨の移動)の手続き」/岡山市「改葬許可申請」/名古屋市「改葬許可申請」(確認日:2026年10月24日)

申請書を1体ごとに出すかは市で違う

改葬許可申請書は、遺骨1体ごとに1通を出す市と、2体以上を1件にまとめられる市があります。

政令市20市の申請書の出し方

5市遺骨1体ごとに1通
10市別紙や継紙で2体以上をまとめられる
5市案内に記載なし

1体ごとに1通と書くのは、さいたま・川崎・京都・大阪(確認した5区すべての案内)・神戸(一般の墓地からの改葬)の5市でした。古い遺骨で本籍や死亡年月日が分からない欄は、京都市のリーフレットに「空欄にせず,「不詳」と記入してください」とあります。

参照:京都市「改葬許可申請の手続について」/さいたま市「改葬の手続き」/川崎市「改葬許可について」/大阪市北区・天王寺区・阿倍野区・住吉区・旭区の改葬許可申請の案内/神戸市「改葬の許可」。市の数は政令市20市の改葬許可の案内による(確認日:2026年10月24日)

政令市20市のうち10市は郵送で申請できると案内している

政令市20市の改葬許可の案内を読むと、郵送で申請できると書くのは10市で、オンラインで手続きを終えられると書く市はありませんでした。

政令市20市の改葬許可の案内

10市郵送で申請できると案内
0市オンラインで申請を終えられると案内
5市受入証明書か移動先の書類を求める


市 郵送 手数料 受入証明書など
札幌市 可 無料 求める
仙台市 可 記載なし 記載なし
さいたま市 区民課に相談 無料 記載なし
千葉市 可(窓口に来られない場合) 無料 記載なし
横浜市 可 無料 記載なし
川崎市 記載なし 記載なし 記載なし
相模原市 可(遠隔地の場合) 記載なし 求める
新潟市 記載なし 記載なし 求める
静岡市 可 遺骨1体300円 記載なし
浜松市 窓口(案内に記載) 市営墓所からの改葬は1通350円 記載なし
名古屋市 可 記載なし 記載なし
京都市 窓口(案内に記載) 無料 記載なし
大阪市 可(来庁が難しい場合など) 無料(3区が記載) 求める
堺市 不可 無料 記載なし
神戸市 可 記載なし 記載なし
岡山市 記載なし 記載なし 求める
広島市 可 記載なし 記載なし
北九州市 記載なし 無料 記載なし
福岡市 記載なし 記載なし 記載なし
熊本市 記載なし 無料 記載なし

表は各市の案内ページと、そこから案内している申請書ページ・手順書・リーフレットに書いてあることだけを数え、「記載なし」は書いていないという意味です。大阪市は市共通の案内がないため、北・天王寺・阿倍野・住吉・旭の5区の案内で数えました。熊本市は、市のコールセンターのよくある質問によります。

参照:政令市20市の改葬許可の案内ページ(表の市名のリンク先。浜松市の手数料は浜松市「市営墓所から別の墓所へ改葬するときは」、札幌市の手数料は札幌市の申請書ページ、熊本市は熊本市コールセンター「改葬(有縁)許可申請について知りたい。」(2015年9月4日更新)、千葉市は千葉市「改葬許可申請の流れ」、京都市は京都市のリーフレット。確認日:2026年10月24日)

郵送で申請できる市と窓口だけの市

郵送で申請できると書くのは、札幌・仙台・千葉・横浜・相模原・静岡・名古屋・大阪・神戸・広島の10市です。千葉市は窓口に来られない場合、相模原市は遠隔地の場合に限った案内です。

大阪市は確認した5区の案内による数で、北・天王寺・阿倍野・住吉の4区は来庁が難しい場合の方法とし、旭区は事前に問い合わせる条件付きです。

郵送で申請するときに同封するもの

  • 記入した改葬許可申請書と、管理者の証明
  • 市が求める添付書類(承諾書・受入証明書など)
  • 返信用の切手と封筒(大阪市北区は住所・氏名を書いて切手を貼った封筒)
  • 仙台市は切手だけで封筒は不要。札幌市は簡易書留の分を含む切手490円分を同封
  • 手数料の定額小為替(静岡市)
  • 本人確認書類の写し(大阪市の5区。広島市は墓地使用者以外が申請するとき)
  • 連絡先の電話番号(横浜市・相模原市・大阪市旭区は日中つながる番号を申請書に書き、千葉市はメモで同封。広島市も記入を求める)

堺市は郵送を「不可」とし、浜松市は申請の方法を「直接窓口へ」、京都市は「申請は窓口までお越しください」としています。さいたま市は、郵送での提出を「各区役所区民課へご相談ください」と案内しています。

堺市の案内は2018年3月20日の更新です。出す前に窓口へ確かめてください。

オンラインで申請を終えられると書く市はなく、京都市は「オンライン申請はできません」としています。

参照:札幌市「改葬(納骨済みのご遺骨を他の場所に移すとき)」/仙台市「改葬(お骨を他の墓地等に移すこと)するとき」/堺市「改葬許可申請」/さいたま市「改葬の手続き」/大阪市北区「改葬許可申請について」/大阪市天王寺区/阿倍野区/住吉区/旭区の改葬許可申請の案内/静岡市「改葬許可申請」/京都市「改葬許可申請の手続について」/浜松市「市内の民間墓所から別の墓所へ改葬するときは」/千葉市「改葬許可申請の流れ」/横浜市「改葬(遺骨の移動)の手続き」/相模原市「よくある質問 改葬許可の手続き方法について知りたい。」/広島市「改葬許可申請について」(確認日:2026年10月24日)

受入証明書か移動先の使用許可証などを求める市は5市

受入証明書か、移動先の名称・所在地が分かる書類を求めるのは、札幌・新潟・相模原・大阪・岡山の5市でした。残る15市は、案内に書いていません。

市 求める書類
札幌市 移動先が札幌市営霊園・墓地なら、移動先の墓地使用許可証の原本。民間の霊園・納骨堂などなら、移動先の施設名と住所がわかる資料やメモ
新潟市 新たな埋葬先の正式名称と所在地が分かる書類(墓地使用許可書の写し)
相模原市 改葬先の受入証明書など
大阪市 改葬先の受入証明書か使用許可証等の原本(北区など)
岡山市 受入証明書。移動先の使用許可証・使用決定通知・契約書等の写しで代えられる

新しい墓地の使用許可証や契約書で受入証明書の代わりになる市もあるため、契約のときの書類は手元に残してください。

参照:新潟市「改葬・分骨の手続きについて」/岡山市「市内の墓地等からお骨を移すとき(改葬)」/相模原市「改葬許可申請」(確認日:2026年10月24日)

改葬許可証を受け取ってから遺骨を取り出す

改葬する遺骨は、改葬許可証を受け取ってから取り出します。墓地埋葬法5条1項は改葬に市町村長の許可を求め、静岡市も「申請をせず、無断で取り出すことは出来ません」と書いています。

許可を受けずに改葬すると、墓地埋葬法21条の罰則(2万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)の対象です。

参照:墓地、埋葬等に関する法律 第5条・第14条・第21条(e-Gov法令検索)/静岡市「改葬許可申請」(確認日:2026年10月24日)

閉眼供養は遺骨を取り出す前に行う

閉眼供養は、お墓に宿るとされる魂を抜く仏教の儀式で、遺骨を取り出す前に行います。法令の手続きではありません。行うかどうかと日取りは、お寺や僧侶と相談して決めてください。

  1. 改葬許可証を今の墓地の管理者に見せる北九州市は許可証を提示してからお骨を取り出す順番を示し、京都市は今の管理者に許可証を提出してお骨を取り出すとしている
  2. 閉眼供養をする(行う場合)僧侶に読経を頼み、親族が立ち会う
  3. 納骨室を開けて遺骨を取り出す石材店が墓石の一部を動かし、骨壺を取り出す
  4. 遺骨を移す先へ運ぶ新しいお墓・納骨堂へ持ち込むか、散骨業者へ預ける

取り出しと閉眼供養を同じ日にすれば、親族がお墓に集まる日を分けずに済みます。

参照:北九州市「改葬許可について」/京都市「改葬許可申請の手続について」(確認日:2026年10月24日)

撤去と整地が終わったら墓地を返す

墓石の撤去と整地は石材店に頼み、工事が終わってから管理者に区画を返します。工事を頼める石材店が決まっている墓地もあり、見積もりを取る前に管理者へ聞いてください。

墓地を返す前に管理者へ確かめること

  • 工事を頼める石材店の決まり(指定石材店)があるか
  • 区画をどこまで更地に戻せばよいか
  • 返還の届け出の様式と、出す時期。市営の墓地なら市への返還届が要る市もある(岡山市の市営墓地返還届など)

参照:岡山市「改葬許可申請」(確認日:2026年10月24日)

工事費の出し方は業者によって違うため、比べ方を墓じまい業者の選び方の記事にまとめました。

新しい納骨先には改葬許可証を出して納める

新しいお墓や納骨堂では、改葬許可証を管理者に出してから納めます。墓地埋葬法14条は、管理者が改葬許可証を受け取った後でなければ、埋蔵をさせたり収蔵したりしてはならないと定めています。

京都市のリーフレットによると、改葬が終わると許可証は手元に残りません。控えがほしい場合は、出す前に写しを取ってください。

参照:京都市「改葬許可申請の手続について」(確認日:2026年10月24日)

代行は行政書士・石材店・墓じまい業者に頼める

墓じまいの手続きは、書類の作成と提出を行政書士、工事を石材店、全体の段取りを墓じまい業者に頼めます。親族との話し合いと、墓地の管理者へ意向を伝えるところは、本人が受け持つ部分です。

頼む先 任せられること
行政書士 改葬許可申請書などの書類の作成と提出の代理
石材店 遺骨の取り出し、墓石の撤去と整地
墓じまい業者 工事の手配と全体の段取り。書類の作成まで頼むなら、行政書士が作るかを確かめる
散骨業者(一部) 墓石の撤去から散骨まで

報酬を得て業として改葬許可申請書のような役所に出す書類を作れるのは、行政書士法19条により、原則として行政書士と行政書士法人だけです。

本人以外が窓口で申請するときは、委任状が要る市があります。京都市のリーフレットは、申請者以外が窓口に来る場合に委任状が必要という案内です。一方、札幌市は親族の代理なら委任状が不要とし、仙台市は同居の家族、浜松市は同居の親族が代理なら不要としています。

掲載216社のうち、墓じまいへの対応を公式サイトに書く散骨業者は73社でした。

墓じまいに対応すると書く散骨業者73社の内訳

自社で行う60%(44社)
提携先に頼む12%(9社)
相談のみ19%(14社)
区分が読み取れない8%(6社)

撤去から散骨までを1社にまとめるか、工事と散骨を別々に頼むかで、見積もりの取り方が変わります。業者の種類ごとの違いは墓じまい業者の選び方の記事で比べました。

参照:海洋散骨くらべ掲載業者の公式サイトを集計(確認日:2026年10月16日)/行政書士法 第1条の3・第1条の4・第19条(e-Gov法令検索)/京都市「改葬許可申請の手続について」/札幌市の申請書ページ/仙台市「改葬(お骨を他の墓地等に移すこと)するとき」/浜松市「市内の民間墓所から別の墓所へ改葬するときは」(確認日:2026年10月24日)

墓じまいの手続きの費用は証明書代と申請手数料

手続きにかかるお金は、管理者の証明書の発行手数料と市の改葬許可の手数料で、郵送するなら切手代も加わります。政令市20市では、改葬許可を無料と書くのが9市、有料と書くのは静岡市と浜松市(市営墓所からの改葬)の2市でした。

費目 金額の例
改葬許可の手数料 無料:札幌・さいたま・千葉・横浜・京都・大阪(北・天王寺・阿倍野の3区)・堺・北九州・熊本。有料:静岡市(遺骨1体300円)、浜松市(市営墓所から1通350円)
管理者の証明書 墓地ごとに違う。神戸市立墓園の埋蔵・収蔵証明は1体300円
郵送の費用 返信用の切手代。静岡市は手数料を定額小為替にして同封する

大きな出費は撤去工事と新しい納骨先の費用です。お寺の墓地から移して檀家をやめる場合は、離檀料も求められることがあります。工事費は墓じまい業者の選び方の記事、遺骨の数による違いは墓じまいの後悔の記事で扱っています。

参照:静岡市「改葬許可申請」/浜松市「市営墓所から別の墓所へ改葬するときは」/神戸市「神戸市立墓園の届出等・年間使用料」/無料の9市は札幌市の申請書ページ・さいたま市・千葉市・横浜市・京都市・大阪市北区・天王寺区・阿倍野区・堺市・北九州市・熊本市の案内(確認日:2026年10月24日)

墓じまいの手続きでよくある質問

手続きの中で迷いやすい2つの場面に答えます。

墓地の管理者が分からないときはどうする?

管理者が分からないときは、お墓がある市に相談してください。施行規則は、特別の事情があれば「市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」で代えられると定めており、何を認めるかは市が決めます。

墓じまいをしないとどうなる?

墓じまいをせず管理料が途絶えると、扱いはその墓地の使用規則しだいです。無縁墳墓(縁故者のいないお墓)の改葬で出す書類は、施行規則3条が定めています。

無縁墳墓の改葬で申請書に添える主な書類(施行規則3条)

  • 今の墓地の管理者の証明(2条2項1号の書類)
  • お墓の写真と位置図
  • 官報に載せ、お墓の見やすい場所の立札に1年間掲げて公告し、その間に申し出がなかったことを書いた書面
  • その官報の写しと立札の写真

継ぐ人がいないと分かっているなら、管理者と話し、親族の意向で行き先を決めておくと選べる幅が広がります。

参照:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条・第3条(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月24日)

墓じまいの流れと手続きのまとめ

墓じまいは、相談・行き先・書類・申請・取り出し・撤去・納骨の順に進みます。お寺や霊園のお墓から別のお墓や納骨堂へ移すなら、役所に許可を申請するのは改葬許可だけです。

墓じまいの手続きの要点

  • 申請先は、住んでいる市ではなく今のお墓がある市区町村
  • 原則として必ず添えるのは管理者の埋蔵の証明。承諾書・受入証明書・本人確認書類・委任状などは条件や市によって加わる
  • 政令市20市のうち郵送で申請できると案内するのは10市(大阪市は確認した5区)、オンラインで終えられると案内する市は0市
  • 散骨と自宅への引き取りは、「改葬にあたらない」と書く市と、書いていない市がある

最初の連絡先は親族と墓地の管理者で、遺骨の行き先と費用の分け方を話し合います。そのうえで、お墓がある市の案内ページで郵送の可否と受入証明書の要否を確かめ、申請の段取りを決めてください。

参照:墓地、埋葬等に関する法律 第5条・第10条(e-Gov法令検索)/同法施行規則 第2条(e-Gov法令検索)/政令市20市の改葬許可の案内ページ(各市のリンクは本記事の政令市20市の表に掲載)(確認日:2026年10月24日)